Rikei magazine
知って得する理経マガジン

(2026.3.31 掲載)
宇宙ビジネス
第二章 「低軌道衛星と地上局」
前回の宇宙ビジネス第一章に続き、今回は第二章として、低軌道衛星と地上局について、その役割をご紹介します。
低軌道衛星とは?
第一章でも少しご紹介しましたが、人工衛星の中でも低軌道衛星は、地上からの高度2,000kmまでの低い軌道を周回している衛星です。低い軌道を周回するということは、地球との距離が比較的近くなるということ。そのため、「高速で低遅延な通信の実現」「高解像度な撮影が可能」といったメリットがあります。
昨今、SpaceX社が提供するスターリンク(Starlink)をはじめ、大手各社が低軌道衛星を利用した高速・低遅延の衛星通信サービスを展開しています。
低軌道衛星の主な用途に「衛星リモートセンシング」があります。これは、人工衛星にセンサーを搭載し、地球の変化を観測する技術のこと。
では、地球の変化を察知することで、どのような場面で活用できるのでしょうか?
<リモートセンシングデータの活用例>
- 環境:大気汚染、水質汚染、土壌汚染の発見
- 防災:地震や津波など災害発生時の状況把握
- 土地利用:森林、市街地、工場など土地利用状況の確認
このように、低軌道衛星を利用して地球の変化を把握することで、さまざまな場面で活用できるのです。
衛星のデータを受信するのが地上局
地上にいる私たちが実際にデータを入手するためには、宇宙を飛んでいる衛星と地上とをつなぐ必要があります。そのために、地上側にはどのような設備が必要になるのでしょう。それが「地上局」と呼ばれる通信施設です。写真のような巨大なパラボラアンテナは、どこかで目にしたことがあるでしょうか。このような大型のアンテナをはじめ、データ送受信装置なども含めて「地上局」と呼ばれています。

理経と地上局の歴史
地上局について、理経には実に半世紀以上もの歴史があります。
1974年のScientific Atlanta社製衛星追尾地上局の納入に始まり、1988年には郵政省電波研究所へ電波望遠鏡を納入、国内民間衛星利用が活発になった2000年前後になると、大小さまざまな地上局をご依頼いただくようになりました。さらに2014年にはBS放送用アンテナの大型納入など、実にさまざまな場所・用途での地上局活用をお手伝いしてきました。
Scientific Atlanta社製衛星追尾システム
ところで、1974年の理経初の地上局納入ですが、その場所はなんと南極昭和基地。ほかにも豪華客船内で使用するためのアンテナを船上に設置するなど、長い歴史の中では「こんなところに!?」と思う場所へも納入実績があります。
いざ地上局を建設するには、使い道や性能に合った機器を組み合わせ、まさに「適材適所」な地上局に仕上げるための調達力が必要になります。この調達力こそが理経の強みです。
また、理経は建設業の免許も取得しているため、アンテナの設置工事を請け負うことも可能です。2023年には、北海道大樹町に低軌道衛星用の地上局を施工した実績があります。
これまで米国を中心とした衛星通信機器メーカー、アンテナメーカーの製品を組み合わせて提案してきましたが、低軌道衛星については都度個別の仕様が求められることも多く、2025年には、国産パラボラアンテナの設計・開発・製造を行う株式会社エルムと業務提携も結び、お客様のご要望に合わせた柔軟なカスタマイズが可能な国産アンテナにも対応できる体制を整えています。
これからの宇宙ビジネス
世界の宇宙ビジネスでは今、宇宙データセンターなどといった新たな取り組みが進みつつあり、驚くような未来がすぐそこまできていると感じます。
一口に宇宙ビジネスと言ってもその内容はさまざまですが、今回は「低軌道衛星と地上局」という側面からご紹介しました。理経もその一端を担う企業として、広い視野で経験を活かし、サービスを提供し続けているということを知っていただけたら幸いです。
お問い合わせ先
伝送・配信システム営業部
TEL:03-3345-2182
Email:spaceproject@rikei.co.jp