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理経メールマガジン

(2025.11.28 掲載)
宇宙ビジネス
第一章 「衛星コンポーネント」
最近話題の「宇宙ビジネス」について、その広がりと理経の取り組みについて、わかりやすくご紹介します。今回は人工衛星に搭載される「衛星コンポーネント」をご紹介します。
そもそも、宇宙ビジネスってなに?
「宇宙」と聞くと、流れ星やロケット、宇宙飛行士など、地球からはるか遠い場所のことを想像する方も多いのではないでしょうか。天気予報や衛星放送、カーナビなどは 人工衛星を用いたサービスで、私たちの身近なところで役立っています。また、災害時の情報収集や、5Gがつながらないような山中や海上への通信など、人工衛星が社会を支える場面は多く見られます。そのほか、宇宙旅行(観光業)、宇宙資源開発、宇宙ステーション(居住施設)のような、少し前までは夢物語であったことが実現されつつあります。
なぜ今、注目されているの?
多くの国や企業にとって未開拓の分野であること、技術の進歩で宇宙ビジネスにかかるコストが下がったことで、世界中の企業が宇宙ビジネスに参入しており、2035年には、なんと約1.8兆ドルの市場規模になるとも言われています。
また、宇宙向けの機器は、宇宙線(宇宙を飛び交う放射線)や極端な高温・低温に耐え、安定して稼働することが求められますが、飛行機や自動車などで使用されている部品でも、宇宙の過酷な環境下でも耐えうるものが開発され、民間企業も参入できるようになってきました。国産の低軌道衛星メーカーも増加傾向にあります。また、多数の低軌道衛星を同じ軌道上に配置し、連携させて運用する(コンステレーション)が近年注目されています。衛星を形作るのはさまざまな種類の部品(コンポーネント)であるため、採用されれば大きな需要が見込まれます。
理経は民間衛星事業が始まった40年前から、通信や放送分野向けに海外のさまざまな製品を取り扱っています。主に、通信衛星や放送衛星用のアンテナや送受信機などです。衛星通信事業に関する知見を活かし製造業から通信、航空宇宙など幅広い分野に電子機器や部品を提供しており、人工衛星に搭載するコンポーネントも多数提案しています。
人工衛星ってどんなもの?
衛星通信は地上からの距離によって以下のように分類されます。
- 静止軌道衛星( GEO ):約36,000km、高速通信に向いている。遅延が大きい。
- 中軌道衛星 ( MEO ):約10,000〜20,000km、GPSなどに利用される。
- 低軌道衛星( LEO ):約500〜2,000km、低遅延・高頻度通信が可能。

低軌道衛星は地球に近いため通信の遅延が少なく、IoTや遠隔医療などの分野で注目されています。多数の衛星をネットワーク化することで、地球全体をカバーする通信網が構築可能になります。
衛星コンポーネントとは?
人工衛星は、実はとても小さな部品が集まってできています。

【3U CubeSat(超小型衛星)一例】
CubeSatは規格化された立方体の小型人工衛星です。1Uが100mm×100mm×100mmで、2U、3U、6Uなどが存在します。
地上局と送受信するためのアンテナ、人工衛星の姿勢を変えたり制御するためのリアクションホイールや太陽センサ、スタートラッカー、太陽光発電を行うための太陽電池セル、特定のミッションを達成するための高性能小型カメラなど、目的に応じてさまざまな部品を搭載しています。
理経では、太陽光発電を行うための太陽電池セル(わずか4×8cmほど!)やバッテリー、位置情報を把握し傾きを調整するための太陽センサなど、人工衛星に関わるコンポーネントの販売や、太陽電池のパネル化の設計・製造も請け負います。
太陽センサ
太陽電池セル
宇宙ビジネスの一端を担いながら、 通信や観測、災害対応、そして未来の暮らしまで、 さまざまな場面で活用される技術を届けています。
小さな部品が宇宙という大きなフィールドで活躍する。 そんな未来をこれからも支え、社会に役立つ製品を通じて、宇宙をもっと身近にもっと便利にしていくお手伝いをしていきます。
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