日本の製造業DX実現に「JAPAN USD Factory」
(2025.5.30 掲載)
日本の製造業DX実現に
「JAPAN USD Factory」が貢献します!
「デジタルツイン」という言葉を見聞きしたことがあるでしょうか。デジタルツインとは、現実世界の情報を仮想空間で忠実に再現し、シミュレーションなどに役立てる技術のこと。近年、製造業は競争の激化や人的リソースの不足といった課題に直面しており、業務の精度や生産性向上実現のため、デジタルツイン技術の活用が注目されています。
理経はこのニーズに応えるべく、日本の工場や倉庫をバーチャルで再現するためのデジタルツインアセット(※1)「JAPAN USD Factory」を開発し、2024年11月より提供を開始しました。
- アセット:デジタルコンテンツの開発に用いられる画像や3Dモデルデータのこと。
「JAPAN USD Factory」とは?

「JAPAN USD Factory」は、DX(デジタルトランスフォーメーション)化を進める製造業者に向け、自社の工場や倉庫の空間をデジタル上で忠実に再現するための「強力なサポートツール」として提供しています。
「強力なサポートツール」とは、詳しく説明すると、製造現場で使用される設備や資材の多くは規格化されており、多くの工場や倉庫で共通して使われています。一方で、企業が自社工場をデジタルで再現するには、膨大な時間と費用がかかることが課題でした。理経はこれを解決するため、NVIDIAが提供するNVIDIA Omniverse™ という開発プラットフォーム(以下、Omniverse)を活用し、日本の製造現場で汎用的に使用されている物流パレット(※2)やラックなどのアセットを「JAPAN USD Factory」として提供を開始しました。

Omniverseを活用することで、各社は自社の工場設備を容易にデジタル空間に再現することができ、製造現場のDX化をさらに促進することが期待できます。
- 物流パレット:物流業界や工場内で荷物を運搬・積み下ろし・仕分けなどの作業に用いられる荷台。
「JAPAN USD Factory」はここがすごい!
「JAPAN USD Factory」の最大のメリットは、日本国内の製造現場で利用される資材や設備に特化しているため、工場や倉庫の空間をゼロから開発する必要なしに再現できるという点。これにより、設計、シミュレーション、運用といった製造工程の各段階で効率化を図り、生産性の向上を実現します。

<「JAPAN USD Factory」の特徴>
- すべてのアセットは Open USDで開発
「JAPAN USD Factory」はUniversal Scene Description (OpenUSD)(※3)フォーマットを使用して開発されており、OmniverseやほかのOpen USD対応ツールでも利用可能です。- Universal Scene Description (OpenUSD):Pixar Animation Studiosが開発した、3Dコンテンツなどの描画に必要な要素を管理するデータ構造。
- 製造業の現場からのフィードバックを基に開発
日本の工場で実際に使用されているパレットやラックなど、現場のニーズに基づいて設計されています。 - 自由にカスタマイズでき、質感も簡単に付与可能
「JAPAN USD Factory」は自由にカスタマイズできる柔軟性を持っています。理経が提供するマテリアルライブラリを利用すれば、モデルに簡単に質感を付与できます。自社で開発した独自のモデルにも、このライブラリを活用できます。
他にもこのような利用シーンがあります
近年、製造業で特にニーズが高まっているデジタルツイン活用法は、ロボットのシミュレーションです。理経でも一つのプロジェクトとして進めています。
また、工場・倉庫向け以外の用途として、自動車業界向けの屋外アセットの開発も進行中です。こちらは自動車に搭載されるさまざまなセンサー試験をデジタルツイン内で実現可能になり、自動運転技術開発の早期化を実現します。
「DX化を考えてはいるけれど、実際導入するとなるとさまざまなハードルがありなかなか進まない」とお悩みの企業の皆さま、ぜひお気軽にお問い合せください。
- 「JAPAN USD Factory」詳細について
お問い合わせ先
次世代事業開発部
TEL:03-3345-2146
E-mail:nbd@rikei.co.jp