グループ会社紹介

エアロパートナーズ 金井前社長インタビュー

昨年11月、理経グループに新たに加わったエアロパートナーズ。
東京日本橋に本社を置くエアロパートナーズは、航空機や防衛機器、それに付随する支援機材や部品などの輸入販売を行う専門商社です。

エアロパートナーズの歴史とは?
元々はトーメンの子会社という形で、1992年にスタートした会社です(当時の社名はトーメンエアロスペース)。トーメンは「東洋綿花」という社名の頃から大きな航空部門を持っており、1964年の東京オリンピックの時に聖火を運んだ「YS11」という国産旅客機を輸出したり、さまざまな航空機や部品を輸入販売していました。
その後、2000年頃の俗に言う「商社冬の時代」にトーメンから分離独立し、エアロパートナーズが設立されました。
航空機の仕事ってどんな仕事??

PW200シリーズ エンジン

飛行機は翼や胴体だけでなく実は複雑な部品の集合体です。自動車を構成する部品数が約10万個程ですが、例えば旅客機のような飛行機になると部品数は約300万個と言われています。
乗り物としての性質上、安全性には特に厳しく注意を払う必要があります。機体の運用条件に合わせ、20年以上メンテナンスや部品交換のスケジュールも決められていて、その都度部品を納入する必要があるのです。
また、エアロパートナーズでは機体やエンジンに関わる部品の販売だけではなく、メンテナンスなどの技術的なサポートも行っています。知識や技術に高い専門性を求められる仕事で、従業員には整備士やパイロットの資格を持っている人が複数います。当然契約関係についても同様に高い専門知識が求められます。そのためエアロパートナーズには「技術・法務部」という一般的にはあまり聞かれないような部署があります。輸出入には規制も多く、最終的には命にかかわる仕事であるため、安全性やコンプライアンスへの対応が重要になってきます。

Bombardier DH8-300 探索レーダー

(写真はRDR-1700B)

どんな航空機に関わるビジネスですか?
ビジネスジェットやヘリコプター、そして防衛省が保有する各種航空機です。
皆さんはこのヘリコプターの写真を見て、何かお気づきになるでしょうか?
実はこのヘリコプター、お尻のところにプロペラが付いていないんです!ヘリコプターの尾部のプロペラはテール・ローターと言って、機首方向の安定や変更に用いられます。このヘリコプターはテール・ローターの役目をプロペラではなく空気の噴出によって行うため、振動や騒音が大幅に軽減されています。
このモデルMD900は、エアロパートナーズのみが日本国内で販売したもので、振動や騒音が少ないということから、患者を運ぶドクターヘリに採用されています。ドクターヘリを題材にした某ドラマの撮影に使われているヘリもこのモデルです。

近年ではドラマの題材になるほど一般的になったドクターヘリですが、世界的にみて日本での導入は大分遅れていました。会社がスタートした1992年、ドクターヘリは欧米では一般的で、エアロパートナーズでも国に対して導入を働きかけていました。1995年の時点で先進国の中でそのサービスがなかったのは唯一日本だけでした。
その1995年に起こった阪神淡路大震災では、地震の後で亡くなった方が約4500名いると言われておりますが、その中でヘリで搬送された方は10名もいませんでした。
地震でメチャクチャになった街の上空を、報道のヘリが飛び交っている中、患者の搬送をできるヘリがなく、日本という国のヘリの運用方法について世界中から非難を浴びました。
二度とこのようなことにならないようさらに働きかけを行い、1999年に晴れて運用を開始、2001年に正式に国のサービスとなりました。現在は50機のドクターヘリが日本で運用されていますが、その1号機はこのモデルのヘリコプターになります。

一般的にわかりやすい事業としてヘリコプターの話をついついしてしまいましたが、実際にエアロパートナーズの事業として大きいのは民間の仕事よりも防衛省の陸、海、空 各自衛隊に配備されている航空機の機材・部品販売およびメンテナンス事業になります。かなり専門的な事業でもあり、ここでは割愛させていただきます。
最後に、エアロパートナーズ前社長 金井が大切にしている言葉をご紹介します。
「空の世界は神に逆らった世界だ。人間は飛べるようにはできていない。逆らっているのだから、ちょっとのミスでも神は許してはくれない。空の世界では、『多分』や『~だろう』は許されない。」
エアロパートナーズは、空に関わるすべてに対してプロフェッショナルであることを信条に、航空機ビジネスに日々真摯に向きあっています。

そして今後は理経とエアロパートナーズがグループになった相乗効果で、既存ビジネスの更なる拡大と新たなビジネスの創出に注力して参ります。

(2018.3.29 掲載/2022.9.29 一部改定)